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福岡の瓦経 [展示会など]

福岡市博物館 部門別展示室(2)にて開催していた「福岡の瓦経」展示を見学。

飯盛山経塚・愛宕山経塚・箱崎宮経塚の三瓦経塚に加えて福岡市内の各遺跡(博多遺跡群・箱崎遺跡・次郎丸高石遺跡)から出土した瓦経を展示。併せて福岡市博物館所蔵の滑石経筒(外容器)2点を展示している。

飯盛山瓦経は福岡市博物館蔵品に加え、個人寄託品と太宰府天満宮蔵品、糸島高校蔵品(九州歴史資料館寄託のもの)が列品されていた。太宰府天満宮蔵品は昨年九州国立博物館の特展に列品されていたもの以外に完形の作品があり。糸島高校品は通常九州歴史資料館にて列品されている資料。飯盛神社蔵の同一個体破片については今回は列品されていない。他の糸島高校蔵品(糸島高校博物館に所蔵)は列品されず。飯盛山瓦経は全国に散逸しており他にも多くの資料が存在している。現在奈良国立博物館でも個人からの寄贈品(完形)が展示中であり、京都国立博物館にも完形品(1点は昨年の九州国立博物館特別展に列品)が所蔵されている他、九州大学考古学研究室にも蔵品がある。
今回の瓦経中、唯一図像瓦を列品。

愛宕山経塚の瓦経は初めて見た。完形の資料はなく、全て破片資料。発掘調査を経ておらず、個人収集資料なので詳細が明らかでない。片面のみ経文が刻み込まれている点が特徴。全体的に薄手に作られており、飯盛山例や箱崎宮例とは異なり、築山瓦経に近い。

箱崎宮瓦経も初見。完形を含め7点が展示されていた。作りが厚く、飯盛山瓦経に似る。

博多遺跡群や箱崎遺跡出土例は付近の経塚から出土したものが何らかの理由で動いたものだろう。

福岡市内で出土した瓦経をまとめて見ることが出来た。残念ながら本日限りで終了。福岡市内ではないので仕方がないのだが、日吉神社経塚の資料が見たかった。

考古・民俗展示室では「やきものに見る中世瀬戸内と博多」と題して中世期のやきものが展示。武蔵寺経塚の外容器に使用された焼き物が列品。

それにしても今年度は仏教美術関係展示会が多い・・・。

福岡の瓦経
平成19年12月4日(火)~平成20年2月3日(日)
福岡市博物館部門別展示室(2)黒田記念室


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